こどもたちのミライをかんがえよう
みどり幼稚園 ふれあい動物ランドを終えたあと、少し時間があったので我々は大槌町精霊流しの会場だった”江岸寺”へ向かった。
まったく変わらず懐かしい風景。
住職はお留守でしたので、ご挨拶だけして大槌町役場へ向かいました。
この役場は取り壊さず残すことにしたとの事。
多くの方が亡くなられた方々のご冥福のお祈りに訪れているようです。
まわりの風景は精霊流しの時のまったく変わっておらず、復興が未だ進んでいないように見えます。
みどり幼稚園のあった場所。
活動のたびにいつも通ってきた風景。
空き地ばかりで家が建ったり人が住む気配が無い中で、
我々は奇跡の光景を発見した!!
樋口さんの家が新しくなっている!!
以前清掃ボランティアで伺った樋口さんの家が立派にリフォームして、空き地の中に一軒だけポツンと立派に建っていました!
(あまりに興奮して写真を撮っていませんでした。しばらく想像ながら読んでください。)
樋口さんの家に向かうと、庭は以前の面影はあるものの、立派に手入れされた庭になっている。
玄関に行きインターホンを押す。
反応がない。
再度ピンポーン。
「はい」
樋口さん!
「以前清掃で青森県弘前から・・・」というと
「はっ、どうぞどうぞ中へお入り下さい。」
玄関に入ると清掃の時の記憶が一気に蘇る。
天井をはがした時に、腐ったサンマか、サバだかがボトボトと一気に落ちてきた玄関だ。
普通にキレイに立派になっている。
ヘドロで灰色がかっていた階段も、キレイにピカピカになっている。
居間に上がるとき、家の構図全体が一瞬見渡せて、家の骨組みは全く変わらないまま全部リフォームしたという感じだ。
「さあさ、どうぞ。」
カルピスをもらいながら、思い出話に花を咲かせた。
天井裏の大漁の魚の話や、水が2階のこの高さまで来た話、ここにあれがあった話、あそこがこうだった話・・・。
柱は青森県産ヒバで油分をまとっているため、津波にあっても水を含まず再利用できたとの事。
こちらも塗りが良いため、再利用可能。
それ以外は全部変えたそうです。
樋口さんは弘前とのゆかりは無いそうですが、ヒバといい津軽塗といい不思議な縁を感じます。
話は弾みますが、樋口さんはどこか元気が無いように思いました。
すっかり長居してしまい最後に、前に取った場所で写真をとりました。
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周りにまったく家がないため夜は不安があり、日中だけ家に来て夜は仮設に寝に帰っているそうです。
「仮設にいると、こもってしまうから・・・」
復興の進みを感じにくい中、家が新しくなり明らかに前に進んだように見える樋口さんですが、やはりどこか元気が無い。
一瞬。
われわれが関わった人が、家が新しくなったことによって、支援が実ったという感覚がありテンションが上がっていました。
そんな支援ではいけないと思いました。
我々の目指す活動は”支援”とはニュアンスが違うと思いました。
一般的でわかりやすいので、我々も”被災地支援”という言葉を使っていますが、被災地を支援するという感覚はありません。
エコッコプロジェクトは常に、被災地でのイベントは全て被災地との共同開催にして、被災地の主体性をつくるためにサポートする形。
被災地の方々が本質的に主体的に復興できるよう関わること。
被災地のために何かしたい方の思いを繋げること。
そのために”何をするか”を模索しながら、たまに失敗もしながら少数精鋭で微力ながら活動しています。
樋口さんが本当の笑顔で笑える事が、樋口さんの復興。
また立ち寄りますと伝えさよならしてきました。
カルピスはちょっと濃い目でした。